行動できない人の処方箋  〜いんすぱその5〜


こんにちは、Kです。

今日もインスパレーションと対話していきます。

今日は第5回ですね。


レポートはこちら


このレポートは個人的には今までで
1番おもしろかったというか、
重要だなと感じたレポートなのですが、

ほとんどの人にとっては当たり前すぎて
スルーされてそうな印象も感じる、
そんなレポートですね。

まあ私も昔スルーしてたので人のことは
言えませんが、やはり大事なものは
ある意味地味であることが多いようです。


なのでこの記事を通して何か感じるものが
あれば良いなあと思いつつ、

当たり前のことを当たり前に語っていく
記事を書きたいと思います。


それでは、今回もよろしくお願いします。


※一度書いた文章が全部吹っ飛んだので、
半分ヤケになりつつお送りします。



【インスパレーションその5】


今日の英文はこれですね。


There are three rules for writing the novel. Unfortunately, no one knows what they are. —W. Somerset Maugham


著者はサマセット・モーム。


作家でありながら諜報員の経歴も持つ
不思議な人物のようです。

小説家や思想家など、社会的な影響力を持つ人が
諜報的な活動を任されることは昔はよくあったようで、
今の時代でいう村上春樹とか宮部みゆきみたいな人が
それをやっていたみたですねー。

この辺はあんまり詳しくないですが、
調べてみるとおもしろいかもしれませんね。


さて、英文です。


There are three rules for writing the novel. Unfortunately, no one knows what they are.


簡単なので訳も一緒に。


小説を書くためには3つのルールがある。しかし不幸なことにそれを誰も知らない。


こんな感じでしょうか。


特別な用法もないし、中学レベルの英語力で
問題なく読めると文だと思います。


続いて内容についてですが、
結局この英文は「文の内容」で何かを
伝えようとしている英文ではなく、

敢えて「伝えない」ことで遠回しに
別の何かを伝えようとしている英文であることが
恐らくわかると思います。


小説を書くためには3つのルールがある。


そう言っておくことで、
相手の興味を引いておきつつ、
しかし敢えてそれを明かさない。


「それって何ですか?」


と思わせておいてナイショ。


この辺、ビジネス系の商材とか高額塾などの
募集レターなどでもよく見る感じですよね。


「この3ステップで100万円!」


みたいな。


法則や手法の存在をほのめかしておきながら
実際は何も言わず、続きはこちら、みたいな。

そんなコピーライティングの基本を巧みに使い、
商品を売ろう・・・とするのではなく、
何らかのメッセージを伝えているわけです。


こんなひねりのきいた文章を書いてみたいものです。


まあそんなことはともかく、
こんな内容を実際に言われたら
たぶん聞いちゃいますよね。


「それって何ですか?」


って。


これはたぶん誰だってそうですし、
モーム氏に小説の書き方を習いにきた人などは
夜も寝られないくらいになるかもしれません。

私も例えば木坂さんとかに
「本を読むには3つのポイントがあるんですよ」
とか言われたら気になってしょうがないですし、
やっぱ聞いちゃうと思うんですよねー。

「え、そんなんあるんですか?教えてください」

みたいに。


何らかの企画や塾などで

「成功するにはどうすればいいでしょうか」

とかの質問したことのある人や

「自分はまず何をすればいいでしょうか」

とか聞いちゃった人はわかる感覚だと思います笑。


まさにその感覚ですよ。


で、その感覚を押さえた上で
もう少し発展させていきましょう。


恐らくほとんどの人にとって
「成功するための3つのルール」みたいなものは
ある種の麻薬的な誘惑を喚起します。

このことはコピーライティングや心理学の
基本みたいなものですし、
このレポートでも語られている


「人生の成功は、わからないという状態に耐えられる時間に比例する」



という内容にも通じることです。


結局ほとんどの人は、わからない状態に耐えられず、
何らかの答えを求めてしまうものである。

自分の中に起こる認知不協和をなんとか解消し、
安心、安全を確保したいと思ってしまう、
人間ってそんな生き物なんですよ。

この辺は残念ながら人間の本能に近いもんなので、
そう簡単にはどーにかはなりません。


それこそ莫大なエネルギーを消費して、


「自分でそっちに持っていく」


ことができなければ不可能の領域に入るものです。


ですから、ある意味ではそれができなくとも、
ほのめかされる答えの誘惑に耐えきれず、

「それって何ですか?」

と聞いてしまうのも無理はないことと
言えなくもありません。


ただこのことは言い換えれば、結局私たちが
この世には何か秘密とかコツなどの「解答」があると
本気で思い込んでしまっている証拠でもあるわけで。

自分の人生が公文式の問題集であると、
1+1が2になるように、
完全な正解があると思っている証なんです。


私たちが取り組む課題やビジネス、
人生などに明確な答えはありません。

世の中はわからないことだらけであり、
成功するセオリーだとか法則、
方程式なんてものもありません。

そんなロマンはリーマンショックや
サブプライムの崩壊の際に
完全に崩れ去ってしまったものです。


人生何が起こるかわからない。

事実は小説よりも奇なり。

結局、こういう言葉に戻ってくる。


答えがあるのは学校教育か、
後からその人の行動を判断し「評価」できる
第三者的なポジションの人の中だけです。

現実は1+1すら2にならないことが
ほとんどなのですから。

人生に明確な答えを導くことなど
神的な存在以外には不可能なんです。


でも。


私たちは答えがあると思っている。


そう思い込んでいる。


だからこそ

「小説を書くための3つのルール」

とか

「あなたに足りないたった1つの要素」

みたいなものに簡単に釣られてしまいます。


私の元にもときどき質問メールや
なぜか私をコンサルタントと思い込んでいる
かのようなメールが来たりします。

まあ別に送って来てもらえれば返事はしますし、
個人的に学ぶことは多いのですが、

そういう人を見ていて思うことは結局、
何らかの「不足」を感じている人が多い、
ということなんです。


それは要するに、

今の自分に何か足りないと思っていて、

それを補えばなんとかなる、

とか、

成功者の人たちは自分の知り得ぬ
何らかの秘密を知っているからこそ
成功することができた、

とか、

けっこう本気で思っているということです。


自分の人生が1+1=2的にならないのは、
本当の意味で確信を持って行動できないのは、
今の自分に何かが足りないからに違いない。




アホか




って今の私なら思っちゃいますけど、
しかし残念ながら昔の私も含め、
そう思っている人がとても多いんです。


そしてそういう人ほど、というかそういう人こそが
いつまでも行動できないという特徴を持っている。


自分には何かが足りないから行動できない、
確信が持てないから行動できない、
今はまだ準備をしているときだ。


そんなもっともらしい言い訳をつけて
行動しないことを正当化する。

昔の私をぶん殴ってやりたくなりますが、
そんなんはただの自己防衛ですからね。

好きな人に声すらかけられない
チキン野郎なんです。


声かけられないのはまあいいとして
じゃあ他になんかやれよと。

せめて自分ぐらい磨けよと。

まあそんな感じですね。


そういう人の気持ちもわかりますけど、
結局自分なんて足りないもんだらけです。

完全な確信なんて持てないし、
事前に正解を知れるわけでもない、
どれだけ勉強しようが終わりはないです。

永遠に終わらんのですよ。


ですから、そういった答えを求めて
いつまでもくすぶってる人は


円周率が求められないから円の面積を求められないよぅ


とか言ってる人と同じになるわけで。



3.1415926535 8979323846 2643383279 5028841971
6939937510 5820974944 5923078164 0628620899
8628034825 3421170679 8214808651 3282306647
0938446095 5058223172 5359408128 4811174502
8410270193 8521105559 6446229489 5493038196
4428810975 6659334461 2847564823 3786783165
2712019091 4564856692 3460348610 4543266482
1339360726 0249141273 7245870066 0631558817
4881520920 9628292540 9171536436 7892590360
0113305305 4882046652 1384146951 9415116094
3305727036 5759591953 0921861173 8193261179
3105118548 0744623799 6274956735 1885752724
8912279381 8301194912 9833673362 4406566430
8602139494 6395224737 1907021798 6094370277
0539217176 2931767523 8467481846 7669405132…



一生やってろって話ですよね。


でも、行動できない人のほとんどはこれをやっています。


そりゃあ行動できないに決まってますよ。


終わりなんてないんだから。


スパコン何台使おうが無理なんですから。


「円周率が求められないと面積が求められないから
僕は何とか円周率を求めようと
人生をかけて計算をし続けているんです!」



・・・アホですよね?


人生終わりますよね?


でもそれが行動できない人の現実です。


じゃあ、行動できる人はどうするか。


「わかんないまま行動する」


んです。


わかんないけどとりあえず3.14にしとこうか、
とある程度で見切りを付けて。

あるいはわかんねえからπにしとけ、
という強引な手法を使って。

そうやって、それが完全ではないことを認識しつつも、
正確な答えが出せないことを理解しつつも、
それでも前に進もうとするわけです。


半径2cmの円の面積は4π。


意味わかんないですよ。


でも、そういうことにして前に進むのです。


これが行動できる人とできない人の違いです。


つまり、行動できない人とできる人の間にある
1つの決定的な差は

「勇気」と「絶望」

だということです。


どんだけ考えてもわかんないんです。

いつまでも目の前は暗闇なわけです。

それはある種の「絶望」です。


しかし、それがわかっていてもなお前に進む勇気。

確信を持てない中手探りで1歩を踏み出す勇気。

これが行動の最初のステップになります。


私たちの人生の目的は円周率の答えを
求めることじゃないんですから。

円周率を使って自身の問題を解き、
自分の人生を良くしていくことに
その目的があるはずです。

だから、とりあえず3.14ってことにしておいて
自身の問題に取り組む必要がある。


そういった、

わかんないけど、次に行く

こういう姿勢が大事だということです。


で、さらに行動できる人と成功できる人の間に
ある違いについても言及しておきますが、
今までの話を踏まえると、成功できる人は、


行動しながらも円周率を計算し続け、問題を更新し続けることができる人


という言い方ができると思います。


これは木坂さんが言っていた

「MSPは変わっていくものです」

という感覚に近いです。


行動すればするほどMSPが変わるのは、
その人の成長や経験などによって
円周率の桁数が増えていくからです。

より正確になっていくとか洗練されていく、
という言い方もできますし、

場合によっては完全な転換、
パラダイムシフトが起こることもあると
思います。


その転換を自分の言動や取り組みに
常に反映し続け、軽やかに行動できる人。


こんな人が成功できる人である、
と今の私なら定義すると思います。


いずれにせよ大事なのは
今ある手持ちのカードに固執することなく、
軽やかに行動していくこと。


そしてそのための第1歩が

「わからないまま行動する勇気」

だということであり、


そしてその第0歩目として、
「一生わかんねえってことを実感する」
という絶望的な前提がある。


絶望すると行動できるっていうのは、
たぶんですけどそういう意味です。


諦めがつくっていうか。

距離ができるっていうか。

開き直るっていうか。


まあそういうことですね。


で、その上で自分の人生を更新し続ける、
そうやって生きていくことです。

なかなか難しいですけどね。

がんばっていきましょう。


そんではまた。

ありがとうございました。


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