インスパレーションを解凍してみた


こんにちは、Kです


突然ですけど、あなたは

「Inspiration for Writers, Marketers, and Entrepreneurs」

ってレポートを知っていますか?


StayGold セミナーで週に1回、
皆さんのモチベーション維持のために
簡単なエッセイを送りますよ

というふれこみで始まって、
いきなり2週間何も送られてこず、
3週目に3つまとめて送られてきた

といういろんな意味で木坂クオリティな
短いレポート集です。


そんないんすぱれーしょんなんちゃらなんですが、
久々にこれをネタにして新たなる試み的なものを
やってみようと思います。


というのも、久々に木坂さんのメールを
いろいろ読み返していたのですが、
最後に当たる第10回目のメールで


すべてを2ページ以内でまとめて書いてきましたが、
つまりそれは「圧縮」されているということを意味している
わけです。

噛めば噛むほど味が出るかどうかはわかりませんが、
読むのに時間はかからないと思いますから、ことあるごとに
読み返していただけると、新たな発見があるのではないかと
思います。



こんなことが書いてありました。


で、そんな1文から私はいんすぱれーしょんを
受けたわけで。


どうやらこのレポートは圧縮されているらしい。


じゃ、解凍してみっか。


というわけです。


圧縮されているなら解凍して中身を
見たくなるのは人間の性です。

それは週刊誌の袋とじの中身が
気になるのは男性の性。

福袋○万円分と言われてついつい
買ってしまうのは女性の性です。

だって人間だもの。

みつを


と、いうわけで。


インスパレーションを解凍しよう。


という試みをやってみたいと思います。


まあ10回までやるか、途中でやめるか、
1回で終わるかはあなたのリアクションと
私の気分次第、という感じになりますが、

ずいぶん久々のレポートとの対話ということで
個人的にはけっこうワクワクしています。


(ちなみに過去の対話記事はこちらから
見れますので良かったら見てみてくださいませ)


せっかくやりますので、あなたも
私の記事を読む前に自分なりに解凍して
味わっていただけたら、と思います。


というわけで、第1回はこれですね。


ライター向けのエッセイです。


書き手はドレス・レッシング。

2013年に亡くなられた
ノーベル文学賞受賞作家です。

私は読んだことがありませんが、
けっこう重いテーマの作品を書く
作家さんだったようですね。


では参りましょう。


【Inspiration vol.1】


さて、当然ながらこの文章を
解凍しようと思ったら、
まずは元の英文を読まねばなりません。


You can only learn to be a better writer by actually writing. —Doris Lessing


ですね。


当然ですが、この一文の解釈をするには
英語を知らなきゃならないわけで。


・・・


あーやだやだ。


英語嫌いなんだけどなあ。


まあやらなきゃどうにもならないので、
英語講師になったつもりで
少しばかり読んで参りましょう。



【You】


まあこれはいいですね。


「あなた」です。


【can】


・・・まずこれなんですよね。


これ、「できる」じゃないんですよ。


けっこう中学英語では「できる」と訳して
be able to と置き換える形で習いますけど、
残念ながらそれは間違いです。


「実際にできる」

じゃなくて、

「可能性がある」

みたいなニュアンスなんですよねー。


ですから


・You are able to be a better writer
・You can be a better writer



こんな2つの例文があったとしたら、
前者は「より良い書き手になれるよ!」
的な断言的なニュアンスになるんですが、

後者は「なれる・・・かもよ?」
みたいな弱気なニュアンスになるんです。


そういう意味でまずいきなり
「そうは簡単じゃないですぜ旦那」
的な雰囲気が出ているわけです。


可能性ですからね。


「お前は海賊王になれるよ!」

と言われるのと、

「お前は海賊王になれる・・・かもよ?」

と言われるのとではえらい違いですよね。


ちょっとは期待してよドレスさん。



んで、【only】。


「たった1つ」という意味が
当てられている単語ですね。


で、辞書とか引いてみると
can only 〜 で「〜しかできない」的な訳が
あたっているわけですけども、

「その可能性があるのはたった1つだけだ」

的な意味だとすればそんな感じの訳に
なりそうなことはわかると思います。


こういった英単語の組み合わせ(?)は
単語同士のイメージを理解していれば
普通に読むことができます。

この辺は木坂さん(KENZO時代)のメルマガを
読めばだいたいその感覚はわかるようになると
思いますので、良ければ読んでみてください。


・http://www.unrevealedcopywritingsecrets.com/08_7/form/etc/pdf/Back_issues1-10.pdf
・http://www.unrevealedcopywritingsecrets.com/08_7/form/etc/pdf/Back_issues11-20.pdf
・http://www.unrevealedcopywritingsecrets.com/08_7/form/etc/pdf/Back_issues21-30.pdf


G型の世界で生きたいなら
英語は必須なようですしね。

ぜひ勉強してマスターして、
その上で私に教えてください。

いやマジで。

英語苦手なんだよう。


・・・話を戻します。


そんな感じで can only までを訳しました。


じゃ、以下の文だとどうなるでしょうか。


・You can only be a better writer by actually writing


・・・


訳せました?


まあ英語苦手な私の解答なんて
本当に合ってるか定かじゃないですが、
たぶん、

「実際に書くことで唯一良い書き手に
 なれる可能性がある」

とか

「実際に書くしか良い書き手になる方法はない」

こんな感じの訳になるだろうと思います。


その可能性があるのはたった1つだけ。

それ以外やっても意味ないよ。

って感じですね。


まあ木坂さんは「only learn」と、
learn の方に only をかけてますので

「leaen だけが〜の唯一の可能性だ」

とか

「ただ learn するだけだ」

みたいな感じで受け取っている印象を受けますけど、
いずれにせよこれも可能性の範囲を1点に絞っている
印象を感じていただければ十分かと思います。


続いて、【learn】。


ここが曲者で、これが木坂さんのいう
「ワンクッション」であり、

私がさっきからわざわざ
can only be に置き換えることで
訳すことを避けていた部分です。


あー、こっから説明するの難しいー!


頑張れ私。


・・・とまあいろいろ言ってますが、
意味としてはすっごく単純です。


「知る」


です。


ちなみに study は

「集中してじっくり考えながら学ぶ」

って意味があるので、それに比べると
かなり軽い感じの意味ですね。

「知識を得る」とか「気づく」とか
そんな感じで理解しておいてください。


そして、方向性を示す to と繋げることで
「何を知るのか」が示されるわけですね。


メルマガに書いてあるのでここでは
詳しくは解説しませんが、
to は方向+到達を表すイメージの言葉です。

だから learn to は
learn が be a better writer に到達するイメージ、
つまり、

「be a better writer への到達の仕方を知る」

もっと意訳すれば

「be a better writer になる方法を知る」

みたいな感じになるわけですね。


なのでここまでの英文を訳すと

「〜の方法を知る可能性があるのはたった1つだけだ」

って感じになるでしょうか。


で、その続き。


何に至る方法かが to の先に示されます。


【be a better writer】


より良い書き手になる。


ですね。


んで、


【by actually writing】


実際に書くことによって。


by はここでは手段を表しています。


ここで一旦の完成を見るわけです。


直接読むと


「あなたは実際に書くことでしか良い書き手になる方法を知る可能性はない」


意訳すると


「良い書き手になる方法を知るには実際に書くしかない」
 
 
みたいな感じになるでしょうか。


・・・違ったらどうしよう。


まあ、合ってる前提で進みます。


ここまで読んでくると木坂さんの言う
「ワンクッション」の意味が
明確にわかるのではないでしょうか。


「良い書き手になるには実際に書くしかない」


ではなく、


「良い書き手になる方法を知るには実際に書くしかない」


なのです。


つまるところ、実際に書いても
私たちは良い書き手になれるわけではなく、
私たちが実際に書くことで得られるものは、

learn to be a better writer

でしかないんですね。


つまり、良い書き手になるための
方法や道筋がわかるだけ。

それは言ってしまえば、
「地図が手に入りますよー」
って言ってるようなものなんです。

そして実際に書くことは
その「地図」を手に入れる手段にすぎない
ことが示されているんです。


ですから、地図が手に入っても
「良い書き手」というゴールに
たどり着けるかはまったくの別問題ですし、

むしろ地図を手に入れた先は
「実際に書く」だけでは進むことすら
できない可能性も読み取れます。

もしかしたらワンピースのグランドライン
みたいに今までの航海術がまったく
役に立たない世界に入る可能性もあります。


あるいは守破離でいうところの
破とか離の段階になるのかもしれません。

破ることも、その先に行くことも、
今まで通り書くだけでは
決して至れないでしょうからね。


いずれにせよ、スタートライン。

まずは地図を手に入れろ、話はそれからだ。

ということが語られているわけです。



さらに。



忘れてはならないものがあります。

「can」

つまり、可能性。


実際に書くことができてもそれは can に過ぎない。


つまり、ほとんどの人はどれだけ書いても
その方法すら知ることができないまま
一生を終えてしまうことになる。


そういうことを彼女は言っているわけです。


わかるでしょうか?


「実際によい書き手になる」までには、もうワンクッションあるのだ、そうレッシングは言っているのである。



これはそういう意味です。


実際に書いたとしても、得られるのは
ただの地図だけで、ほとんどの人は
その地図を手に入れることすらできない。

そして、その地図を手に入れたとしても、
やはり良い書き手になることが
保証されるわけでもない。

その先が同じようにあって、
その先も同じように過酷なのだ。


だから、書くことは大変だと
木坂さんは言っているわけです。


そして、だからこそ、


そのワンクッションがなんであるか、それは明かされない。まるで、「実際に書いて」いく中で自分で発見しなければならない、とでも言いたいかのように。



こんな一文が出てくるのです。


地図ぐらい教えてくれてもいいじゃない、
と私なんかは思ってしまうわけですが、
それすらも自分で見つけなさいと。

自分の道は自分で見つけなさい的な
ある種の丸投げ感を発揮してくれている。

良い書き手は誰かに教えてもらうことで
なるのではなく、自分でなるんですよ、
とても言いたげですね。


・・・たぶんその通りなんでしょうけど。



さらに。



まだあんのって感じですけど、

study ではなく learn

なんですよね。


このニュアンスの違いもなんつーか
よく考えられてんなあって感じですが、
大事なポイントになっていて。


その地図的なものは勉強して考え抜くことで
得られるようなものではない、
って彼女は言っているんですよねー。

あくまでも、ある種の閃きのように、
「知る」ことで得られるもの。

いわば「考えるな、感じろ」的な
感覚的な世界がそこにある。

better writer なら誰もが知っている、
ある種の境地みたいなものがあることが
示されているわけです。


だから

by actually writing

が余計に重要になってくるわけで。


考えてちゃダメなんですよ。

とにかく実際に書く必要がある。

そうすればそのうちわかります。


そう言っているわけです。


・・・どんだけ丸投げやねん。

と思うのは私の性根が腐っているのでしょうね。

やるしかないんです。


さて、簡単にまとめますが、
その「何か」を知ることが
良い書き手へのスタート地点である。

そして、その地点に立って初めて、
良い書き手への道が開かれる。

本当になれるかはわからないけれど、
それを知らないうちは絶対になれない。

その「何か」を知るための方法が
実際に書くことなんですよ。


この文章はそういう文章です。

短いですが、すごい情報量ですよね。

これもある種のリーディングです。


(まあ、英語苦手なので本当に合ってるのか
定かじゃないんですけどね・・・)


しかしながら、ここまで読みとれれば
この文章で彼女が

「良い書き手になるための前提」

の話をしているんだなってことが
わかるのではないかと思います。


このレポートの最後には


「行動する」などというぼんやりしたことではなく「実際に」行動すること、そしてそれすらもゴールではなく「当たり前」のこと、本当に大切なことはそのさらに先にある



こんな文章がありますが、
これはまさに「前提」の話ですよね。


実際に書くのは当たり前。

書いてみても地図が手に入るかはわからない。

でもそれでも私たちは書き続けるしかないんだ。


・・・ここまで読み取れて初めて、
木坂さんの問題意識が分かるんです。


「実際に書く」ってただ書くって意味じゃないよね?


と。


なにせ、私たちは実際に書くことによって
彼女が明かさなかった地図的な「何か」を
知らなければならないんだから。


テンプレートを使う、写経する、真似るなど
いろんな書き方が世の中にはありますが、
果たして本当にそれで知ることができるのか?

actually writing とはそういった
ただ書けばいいものなのだろうか?


そういった「何か」を知るための
「実際に書く」という方法を考えたとき、
恐らく、そうではないことがわかるんです。


では、どうすれば実際に書けるのか。


もちろんそれを彼女は明かさないわけですが、
木坂さんはそれを写経に限定した上で

「作者になりきって書く」

という1つの方法を挙げているんです。


つまり木坂さんは作者になりきって写経することが
その「何か」を知る可能性を秘めた方法であると
考えていることがわかる。


もちろん、

しかしながら、僕は自分の経験と、いろいろな人を見てきた経験から、「写経」が意味を成すためには、効果をもたらせるためには、ある条件を満たさないといけないと思う。



ここに「条件」という言葉があるように、
それも同じように「前提」であり、
「それだけで得られるとは限らない」という
かなり曖昧なニュアンスが見え隠れするわけですが。

しかしながら、普通に書くよりは可能性が
高いと木坂さんは判断していることも
同じように読み取れますよね。


写経を通して「何か」を知るには、
少なくとも作者になりきること、

もっと正確に言えばその言葉が生まれる背景、
その人の持つ哲学、歴史、時代などを
明確に理解しつつ、その思考をトレースすること。

そうして初めてその「何か」を知る
スタート地点に立つことができることを
木坂さんは示しているんです。


もうね、どんだけクッションあるんだっていう。


そう文句を言いたくなりますが、
どうやらそういうことのようです。


1.まず、実際に書くことがどんなもので
 あるかを理解することが難しい。

2.写経をするとしても、作者になりきって
 書くことが非常に難しい。

3.そして、その実際に書くことで
 その「何か」を知り、良い書き手へと
 至る地図を手に入れることも難しい。

4.さらに、地図を手に入れたとしても
 そこからの道も過酷そうである。



そういった4段構えの構造になっていて、
良い書き手になりたいのならば
その4つの壁を越えることが必要なんですね。


そんで、ここまで読んで初めて
最後の文を読むことができる。


僕は、ついつい楽な道を選択しそうになった時、この言葉によって正しい道を思い出させてもらっている。「行動する」などというぼんやりしたことではなく「実際に」行動すること、そしてそれすらもゴールではなく「当たり前」のこと、本当に大切なことはそのさらに先にある・・・ライティングに限らず、そういう「当たり前」を認識することから、何事も正しいスタートが切れるのではないだろうかと、僕は思うのである。



だいぶ最初とはニュアンスが
変わってきたのではないかと思うのですが、
どうでしょうか。


もうこの文章は各自で読み込んでほしいのですが、
ポイントは「行動する」と「実際に行動する」の
この2つの違いだと思います。


というのも、

行動って全部実際の行動じゃないの?

ってのが私たちの一般的な感覚ですけど、
木坂さんはこれらを明確に分けて
書いているからです。


なお、少しだけヒントを出すと、
この「実際」という表現は「現実的」という表現に
読み替えられると私は思っています。


つまり、

1.現実世界でする具体的行動
2.抽象世界でする具体的行動


この2つのパターンがあることが
この文章から読み取れるということです。


ですから、


「実際に(=actually)書く」というのは、どういうことか。「実際には書かない(=書いたつもりになっているだけで実はただ文字という記号を並べる作業をしているだけの)」ラ イティングというものがこの世にはある―――そうレッシングは含んでいる。



この文章に書かれている、
「文字という記号を並べる作業」は、
木坂さん的には2に当たると考えられる。

つまり、その人は「書く」という
具体的な行動をしてはいるけれど、
現実的な行動をしているわけではない。

あくまでも抽象世界の中で、
ただ記号を並べているだけに過ぎないんだ。


要は、


あなたという現実の存在に何の影響も及ぼしていないですよね?


ということを言っているんだと思います。


「現実的なアクションを起こす」


結局、これがすべての土台であり、
基本であるというWakeUpセミナーの
テーマに戻ってくるわけで。


いずれにせよ大事なことは
抽象的でもなく、具体的でもなく、
現実的な行動を取ること。


ライティングに限定して言うなら、
現実的な書き方をすること。

作者の意図とか背景などを
抽象世界に留めておかず、
現実世界に持ち込んで書くこと。


行動にしてみても、現実的な、
つまり現実世界に影響を及ぼすような
行動を取ること。


思考するにしても抽象世界ではなく、
現実に根ざした思考をすること。


これが必要なのだろうなあと思います。


まあどうすればそれができるのかは
かなり難しいところですが、
そうなれるよう努力していきたいところです。


現実的、別の言い方をすれば
「実存的」な生き方ができるよう、
お互い頑張って参りましょう。


・・・という感じになるでしょうか。


はい、私なりに解凍してみたところ、
こんな感じになりました。

まあ私は本当に英語はダメなので
本当に合っているのかわかりませんが、
現状ではこうなりましたよってことで。

第10回まで持つかなあ・・・


それではまた。

ありがとうございました!





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